シロです。
1月も最終週となり、いよいよ確定申告が始まります。
2019年の確定申告は、2019年2月18日(月)~3月15日(金)です。
株式投資、特に米国株に投資されている人は、確定申告で税金が返ってくることが多いです。
今回は、米国株投資家がするべき確定申告の内容について紹介します。
これは、国内株でも米国株でも変わりません。
株式投資では、以下の2種類の利益があります。
売却益(キャピタルゲイン):株を購入し、購入金額より高い金額で売却することで利益を得る
配当益(インカムゲイン):株式数に応じて、企業から与えられる配当による利益
日本では、売却益、配当益のいずれに対しても、20.315%の税金がかかります。
内訳は、15.315%が所得税、5%が住民税です。
例えば、10万円で購入した株を15万円で売却した場合、
10,157円を税金として納める必要があります。
計算式は、以下のようになります。
税金: 5万円(売却益)× 20.315%=10,157円 (小数点以下切り捨て)
ここで、株式の取得や売却にかかった手数料は差し引く必要があります。
楽天やSBIなどのネット証券は、株式の売買手数料を約定代金の0.45%に設定しています。
これを先ほどの例に適応すると、
購入時の手数料:10万円(購入金額)×0.45 = 450円
売却時の手数料:15万円(売却金額)×0.45 = 675円
利益:5万円(売却益)-450(購入手数料)-675円(売却手数料)=48,875円
税金:48,875(利益)×20.315% = 9928円(小数点以下切り捨て)
売却益は、購入した株を売却して、「現金を得た」場合に課税されます。
購入した株の株価が上昇したけど、売却していない(含み益がある)場合には課税されません。
また、NISA口座で管理している株式については、売却益、および配当益は課税対象となりません。
配当金は、配当所得であり、納税の義務があるためです。
これは、売買益、配当益いずれも証券会社が管理し、対応してくれるためです。
売却益管理、税金の計算は証券会社・銀行が行い、年間取引報告書を発行してくれます。
投資家は、年間取引報告書を用いて、確定申告と、税金の納付を行う必要があります。
ただし、他に2000万円以下の収入があり、売買益が20万円未満であれば確定申告は不要です。
これは、売買益が雑所得にあたるためです。
、売買益が20万円以上の場合には、確定申告が必要です。
ただし、NISA枠で購入した株の売却益については、確定申告は不要です。
確定申告、納税まで、すべて投資家自身で行う必要があります。
ただし、NISA枠で購入した株の売却益については、確定申告は不要です。
また、損失を用いてその年の配当益などにかかる税金の控除(損益通算)や、
翌年以降の利益にかかる税金を控除(繰越控除)することができます。
損益通算や繰越控除の申請は、「特定口座(源泉徴収あり)」を選択した場合でも、実施する必要があります。
ただし、NISA枠で購入した株式の売却損失については、これらの特例は適用できません。
NISA枠以外での株式売買により損益が発生した場合には、
損失を埋めるためにもしっかりと行うためにも確定申告しましょう。
しかし、企業の利益は決算時に法人税が課税されています。
そのため、配当に所得税や住民税が課税されると、二重課税となります。
この二重課税を排除するために、配当控除という制度があります。
ただし、配当控除を申請すると、総合課税となり、所得の増加とともに税率が増加します。
年間の課税総所得(配当金や会社からの給与の総額から、基礎控除や配偶者控除などの各種控除を引いた額)が、695万円以下の場合には、申請することで得になります。
これに加えて、日本の課税(20.315%)がなされます。
例えば、米国株の配当金が100万円だったとします。
まず、米国で配当益の10%(10万円)が納付され、90万円が日本に送金されます。
次に、日本に来た利益90万円に対して、日本の税金20.315%(182,835円)が納付されます。
つまり、手元に残る利益は、717,165円となります。
先に述べたように、配当は配当収入であるため、
口座の種類にかかわらず源泉徴収がなされています。
そのため、外国源泉徴収税についての確定申告は不要です。
上記の外国源泉徴収税を取り戻す場合です。
米国株の配当は、外国源泉徴収税と、日本国内の税金がかけられおり、
2重課税に該当するため、外国税額控除制度という控除の制度があります。
外国税額控除制度を申請すると、外国で納付した税金を、所得税から差し引くことができます。
その際、戻ってくる税金の限度額が、以下の式で決まっています。
外国税額控除の限度額=その年分の所得税の額×その年分の国外所得総額÷その年分の所得総額
ポイントは、所得税から差し引くということです。
「米国で課税された税金<所得税」の場合、全額が所得税から控除されます。
ただし、「米国で課税された税金>所得税」の場合には、所得税で米国での課税全額を控除できません。
所得税から控除できない分は、住民税から控除されます。
さらに、住民税からも控除しきれない分は、3年間繰越ができます。
ただし、株式を売却しない限り配当は減らないため、
国内での昇給により所得税が増加しない限りは、繰越す意味がありません。
道府県民税=所得税の控除限度額×12%
市町村民税=所得税の控除限度額×18%
また、NISA枠で購入した米国株からの配当については、国内で課税されませんので、
外国税額控除制度を申請できません。
本日は、米国株投資における確定申告について紹介しました。
米国株投資については、以下の場合に確定申告をする必要があります。
・一般口座、もしくは特定口座(源泉徴収なし)で取引しており、
20万円以上の売却益がある場合
⇒税金を確定申告し、納付する
・米国株式の売買で損失が発生した場合
⇒損益通算、もしくは繰越控除のいずれかを申請
・配当金の外国源泉徴収税を取り戻す
⇒外国税額控除を申請する
ただし、いずれもNISA枠で購入した株式に関しては、確定申告の必要はありません。
1月も最終週となり、いよいよ確定申告が始まります。
2019年の確定申告は、2019年2月18日(月)~3月15日(金)です。
株式投資、特に米国株に投資されている人は、確定申告で税金が返ってくることが多いです。
今回は、米国株投資家がするべき確定申告の内容について紹介します。
この記事の内容
・日本における株式投資での課税
・株式投資で確定申告が必要な場合
・配当益に関する確定申告(確定申告不要)
・売却益に関する確定申告
・特定口座(源泉徴収あり):確定申告不要
・特定口座(源泉徴収なし)で利益が20万未満:確定申告不要
・特定口座(源泉徴収なし)で利益が20万以上:確定申告必要
・一般口座:確定申告必要
・株式売買により損失が発生した場合の特例
・損益通算
・繰越控除
・配当控除
・米国株投資における注意点
・配当金の外国源泉徴収税(10%)
・米国株について確定申告すべき事項:外国税額控除制度
・米国株の配当控除はできない
・まとめ
・日本における株式投資での課税
・株式投資で確定申告が必要な場合
・配当益に関する確定申告(確定申告不要)
・売却益に関する確定申告
・特定口座(源泉徴収あり):確定申告不要
・特定口座(源泉徴収なし)で利益が20万未満:確定申告不要
・特定口座(源泉徴収なし)で利益が20万以上:確定申告必要
・一般口座:確定申告必要
・株式売買により損失が発生した場合の特例
・損益通算
・繰越控除
・配当控除
・米国株投資における注意点
・配当金の外国源泉徴収税(10%)
・米国株について確定申告すべき事項:外国税額控除制度
・米国株の配当控除はできない
・まとめ
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日本における株式投資での課税
まずは、株式投資における日本の課税制度です。これは、国内株でも米国株でも変わりません。
株式投資では、以下の2種類の利益があります。
売却益(キャピタルゲイン):株を購入し、購入金額より高い金額で売却することで利益を得る
配当益(インカムゲイン):株式数に応じて、企業から与えられる配当による利益
日本では、売却益、配当益のいずれに対しても、20.315%の税金がかかります。
内訳は、15.315%が所得税、5%が住民税です。
例えば、10万円で購入した株を15万円で売却した場合、
10,157円を税金として納める必要があります。
計算式は、以下のようになります。
税金: 5万円(売却益)× 20.315%=10,157円 (小数点以下切り捨て)
ここで、株式の取得や売却にかかった手数料は差し引く必要があります。
楽天やSBIなどのネット証券は、株式の売買手数料を約定代金の0.45%に設定しています。
これを先ほどの例に適応すると、
購入時の手数料:10万円(購入金額)×0.45 = 450円
売却時の手数料:15万円(売却金額)×0.45 = 675円
利益:5万円(売却益)-450(購入手数料)-675円(売却手数料)=48,875円
税金:48,875(利益)×20.315% = 9928円(小数点以下切り捨て)
売却益は、購入した株を売却して、「現金を得た」場合に課税されます。
購入した株の株価が上昇したけど、売却していない(含み益がある)場合には課税されません。
また、NISA口座で管理している株式については、売却益、および配当益は課税対象となりません。
株式投資で確定申告が必要な場合
次に、国内株投資で確定申告が必要な場合について述べます。配当益に関する確定申告(確定申告不要)
配当益は、基本的に税金が控除されて振り込まれるため、確定申告は不要です。配当金は、配当所得であり、納税の義務があるためです。
売却益に関する確定申告
売却益については、口座の種類と、利益の額によって確定申告の必要有無が変わります。特定口座(源泉徴収あり):確定申告不要
口座が特定口座(源泉徴収あり)の場合、確定申告は不要です。これは、売買益、配当益いずれも証券会社が管理し、対応してくれるためです。
特定口座(源泉徴収なし)で利益が20万未満:確定申告不要
口座が特定口座(源泉徴収なし)の場合、売却益管理、税金の計算は証券会社・銀行が行い、年間取引報告書を発行してくれます。
投資家は、年間取引報告書を用いて、確定申告と、税金の納付を行う必要があります。
ただし、他に2000万円以下の収入があり、売買益が20万円未満であれば確定申告は不要です。
これは、売買益が雑所得にあたるためです。
特定口座(源泉徴収なし)で利益が20万以上:確定申告必要
上記で説明したとおり、口座が特定口座(源泉徴収なし)の場合で、、売買益が20万円以上の場合には、確定申告が必要です。
ただし、NISA枠で購入した株の売却益については、確定申告は不要です。
一般口座:確定申告必要
口座が一般口座の場合、株の売買の記録および売却益、税金の計算、確定申告、納税まで、すべて投資家自身で行う必要があります。
ただし、NISA枠で購入した株の売却益については、確定申告は不要です。
株式売買により損失が発生した場合の特例
株式売買により損失が発生した場合、上記の売買益への課税はなされません。また、損失を用いてその年の配当益などにかかる税金の控除(損益通算)や、
翌年以降の利益にかかる税金を控除(繰越控除)することができます。
損益通算や繰越控除の申請は、「特定口座(源泉徴収あり)」を選択した場合でも、実施する必要があります。
ただし、NISA枠で購入した株式の売却損失については、これらの特例は適用できません。
NISA枠以外での株式売買により損益が発生した場合には、
損失を埋めるためにもしっかりと行うためにも確定申告しましょう。
損益通算
株式売買により発生した損失を用いて、配当益等にかかる税金を控除する方法です。
損益通算は確定申告で申請でき、売買における損失や、配当益などと合わせて申請します。
損失を翌年以降に持ち越して、翌年以降の所得に対する税金を控除することができます。
これを、譲渡損失の繰越控除といい、損失を3年間繰り越すことができます。
繰越控除を受けるためには、損失が発生した翌年の確定申告をするとともに、
その損失の繰越控除を受ける間は、毎年確定申告が必要となります。
損益通算は確定申告で申請でき、売買における損失や、配当益などと合わせて申請します。
繰越控除
その年の損益について損益通算をしても、まだ損失のマイナスがある場合、損失を翌年以降に持ち越して、翌年以降の所得に対する税金を控除することができます。
これを、譲渡損失の繰越控除といい、損失を3年間繰り越すことができます。
繰越控除を受けるためには、損失が発生した翌年の確定申告をするとともに、
その損失の繰越控除を受ける間は、毎年確定申告が必要となります。
配当控除
株式の配当は、企業がその年の営業活動で得た利益を配分しています。しかし、企業の利益は決算時に法人税が課税されています。
そのため、配当に所得税や住民税が課税されると、二重課税となります。
この二重課税を排除するために、配当控除という制度があります。
ただし、配当控除を申請すると、総合課税となり、所得の増加とともに税率が増加します。
年間の課税総所得(配当金や会社からの給与の総額から、基礎控除や配偶者控除などの各種控除を引いた額)が、695万円以下の場合には、申請することで得になります。
米国株投資における注意点
次に、米国株に投資している場合の注意点をお話します。配当金の外国源泉徴収税(10%)
米国株式の配当益については、先に米国現地で10%の課税がなされます。これに加えて、日本の課税(20.315%)がなされます。
例えば、米国株の配当金が100万円だったとします。
まず、米国で配当益の10%(10万円)が納付され、90万円が日本に送金されます。
次に、日本に来た利益90万円に対して、日本の税金20.315%(182,835円)が納付されます。
つまり、手元に残る利益は、717,165円となります。
先に述べたように、配当は配当収入であるため、
口座の種類にかかわらず源泉徴収がなされています。
そのため、外国源泉徴収税についての確定申告は不要です。
米国株について確定申告すべき事項:外国税額控除制度
米国株を取り扱っている場合に確定申告すべき事項は一つ、上記の外国源泉徴収税を取り戻す場合です。
米国株の配当は、外国源泉徴収税と、日本国内の税金がかけられおり、
2重課税に該当するため、外国税額控除制度という控除の制度があります。
外国税額控除制度を申請すると、外国で納付した税金を、所得税から差し引くことができます。
その際、戻ってくる税金の限度額が、以下の式で決まっています。
外国税額控除の限度額=その年分の所得税の額×その年分の国外所得総額÷その年分の所得総額
ポイントは、所得税から差し引くということです。
「米国で課税された税金<所得税」の場合、全額が所得税から控除されます。
ただし、「米国で課税された税金>所得税」の場合には、所得税で米国での課税全額を控除できません。
所得税から控除できない分は、住民税から控除されます。
さらに、住民税からも控除しきれない分は、3年間繰越ができます。
ただし、株式を売却しない限り配当は減らないため、
国内での昇給により所得税が増加しない限りは、繰越す意味がありません。
道府県民税=所得税の控除限度額×12%
市町村民税=所得税の控除限度額×18%
また、NISA枠で購入した米国株からの配当については、国内で課税されませんので、
外国税額控除制度を申請できません。
米国株の配当控除はできない
米国株から入る配当については、配当控除はできません。まとめ
本日は、米国株投資における確定申告について紹介しました。
米国株投資については、以下の場合に確定申告をする必要があります。
・一般口座、もしくは特定口座(源泉徴収なし)で取引しており、
20万円以上の売却益がある場合
⇒税金を確定申告し、納付する
・米国株式の売買で損失が発生した場合
⇒損益通算、もしくは繰越控除のいずれかを申請
・配当金の外国源泉徴収税を取り戻す
⇒外国税額控除を申請する
ただし、いずれもNISA枠で購入した株式に関しては、確定申告の必要はありません。
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