シロです。
金融庁が「老後資金2,000万円不足」との報告書を公表したことが話題になりました。
9月末、金融庁は審議会でこの報告書の撤回を決定しました。
撤回した理由は、決して内容が間違っていたからではありません。
政府はただ問題を先送りしただけであり、年金不足問題は未だに解消されていません。
それどころか、厚生労働省が「年金枯渇問題」を報告したことで、
報告書に記載の通り「将来に向けて長期・積 立・分散投資による資産形成を行う」必要があります。
それには、まずは老後に必要な資金を把握する必要があります。
今回は、平均的な夫婦二人の老後資金の目標を検討しましたので紹介します。
我が家も、60歳までには子供に独立してもらい、夫婦二人で余暇を楽しみたいと考えています。
老後の生活費は、2018年の総務省「家計調査報告(家計収支編)」を参考にしました。

※世帯主が65歳以上、その妻が60歳以上無職2人暮らしの世帯
上の表から、引退後の平均的な2人暮らしの生活費は1月あたり約26.5万円です。
自由に使える時間の多い高齢者が趣味を楽しむには、やや金額が少ないですよね。
実はこの表の数字は、最低限度の生活を送る高齢者も含んでいます。
生命保険文化センターが行った調査によると、
旅行やレジャー、孫にお小遣いをあげるなど、ゆとりある生活を送るためには、
さらに86,000円の余裕資金を加えた35万円が必要といわれています。
お子さんがいるご家庭では、夫が厚生年金、妻が基礎年金を免除されているケースが多いですね。
我が家もこのケースに該当します。
厚生労働省が公開している、40年間会社勤めした夫と、専業主婦の組み合わせを想定した
年金受給額は、1か月あたり221,504円です。
※平成31年受給開始を想定しています。
日本の多くの会社は、退職年齢を既に65歳に引き上げています。
そこで、ここでは65歳以降の生活を老後生活としました。
夫婦二人の年金受給額は221,504円ですので、それぞれの生活水準で不足する額は次の通りです。
【それぞれの生活水準の月あたりの不足額】
〇平均的な生活・・・ 約 44,000円
〇ゆとりある生活・・ 約130,000円
以上を考え、各年齢までに必要な生活費を計算しました。
ここで、簡単のために夫婦二人は同年齢としました。
老後生活に必要な金額
政府が公表している高齢社会白書「平均寿命の将来推計」によれば、
2060年の平均寿命は、男性は84.2歳、女性は90.9歳と予想されています。
妻の寿命まで生きる場合、夫婦二人の老後生活に必要な資金は3,900万円となります。
「繰り下げ受給制度」をご存知でしょうか?
現在、年金の受給開始年齢は65歳ですが、これを遅らせることで年金受給額を増やすことができます。
繰り下げは最大70歳まで可能であり、年金受給額は42%増額されます。
例えば、夫婦二人の年金受給額が221,504円の場合、
70歳まで受給開始を繰り下げることで、年金受給額は一か月あたり314,535円となり、
ゆとりある老後生活を送るための不足金額は一か月あたり約35,000円となります。
ここで、年金受給年齢を70歳まで引き下げた場合に、老後生活に必要な額を試算しました。
ゆとりある老後生活に必要な金額
65歳~70歳は年金支給がありませんので、必要な生活費は全て貯蓄から支出する必要があります。
妻の寿命90歳まで生きる場合、繰り下げ受給なしでは3,900万円も資金が必要でしたが、
受給開始年齢を70歳まで繰り下げると、必要資金は2,940万円となり、約1,000万円も減額できます。
今後、医療が進歩すれば平均寿命はさらに伸びると考えられますので、
繰り下げ受給による年金受給額の増額は、さらに有効になると考えられます。
以上の計算では、住居費を13,625円としており、持ち家が前提と考えられます。
シロは、持ち家のローンで支払うお金は、資産形成に使用すべきと考えています。
一方、定年後は次の理由から持ち家を購入すべきと考えています。
〇資産形成は不要である
〇子どもがいないため、必要な家のサイズが変わらない
〇中古マンションを購入した方が生活費が抑えらる
(65~90歳の25年間、家賃8万円とすると、総額2,400万円)
〇30年後の日本は、人口減少で住宅の需要が減少しており、
住宅価格は現在よりも減少していると考えられる
住宅は中古マンションを考えており、購入価格は1,000万円(リフォーム代含む)とします。
つまり、我が家で必要な老後費用は、次の通りです。
老後生活に向けて必要な資金を試算しました。
65歳で定年退職し、ゆとりのある生活を送るために必要な資金は、
65歳に年金受給を開始すると3,900万円です。
年金の繰り下げ受給を行い、年金受給開始を70歳まで遅らせることで、
必要な老後資金は2,952万円となり、老後資金を1,000万円削減することができます。
ただし現在、年金制度の破綻が見え始めており、
「繰り下げ受給制度」が今後30年も継続されるかが心配です。
(年金受給開始年齢が引き下げられる可能性もあります。)
我が家では、次の2点を考慮して、老後資金の目標額を4,720万円としました。
〇65歳定年退職と同時に持ち家を購入する
〇年金がなくても5年生活可能な資金を持つ
今後は、この目標に向けて、資産形成計画などを検討したいと思います。
金融庁が「老後資金2,000万円不足」との報告書を公表したことが話題になりました。
9月末、金融庁は審議会でこの報告書の撤回を決定しました。
撤回した理由は、決して内容が間違っていたからではありません。
政府はただ問題を先送りしただけであり、年金不足問題は未だに解消されていません。
それどころか、厚生労働省が「年金枯渇問題」を報告したことで、
報告書に記載の通り「将来に向けて長期・積 立・分散投資による資産形成を行う」必要があります。
それには、まずは老後に必要な資金を把握する必要があります。
今回は、平均的な夫婦二人の老後資金の目標を検討しましたので紹介します。
SPONSORED LINK
この記事の内容
・老後の夫婦2人の生活費
・日本の平均的な家庭
・日本のゆとりある家庭
・夫婦二人の年金受給額
・老後の生活に必要な貯蓄額は?
・年金の繰り下げ受給を活用する
・我が家の場合(持ち家がない場合)
・まとめ
・老後の夫婦2人の生活費
・日本の平均的な家庭
・日本のゆとりある家庭
・夫婦二人の年金受給額
・老後の生活に必要な貯蓄額は?
・年金の繰り下げ受給を活用する
・我が家の場合(持ち家がない場合)
・まとめ
老後の夫婦2人の生活費
日本の平均的な家庭
老後は、お子さんも独立して夫婦二人で生活する場合が多いと思います。我が家も、60歳までには子供に独立してもらい、夫婦二人で余暇を楽しみたいと考えています。
老後の生活費は、2018年の総務省「家計調査報告(家計収支編)」を参考にしました。

※世帯主が65歳以上、その妻が60歳以上無職2人暮らしの世帯
上の表から、引退後の平均的な2人暮らしの生活費は1月あたり約26.5万円です。
日本のゆとりある家庭
上の表では、2人分のお小遣いは53,171円となっていました。自由に使える時間の多い高齢者が趣味を楽しむには、やや金額が少ないですよね。
実はこの表の数字は、最低限度の生活を送る高齢者も含んでいます。
生命保険文化センターが行った調査によると、
旅行やレジャー、孫にお小遣いをあげるなど、ゆとりある生活を送るためには、
さらに86,000円の余裕資金を加えた35万円が必要といわれています。
夫婦二人の年金受給額
お子さんがいるご家庭では、夫が厚生年金、妻が基礎年金を免除されているケースが多いですね。
我が家もこのケースに該当します。
厚生労働省が公開している、40年間会社勤めした夫と、専業主婦の組み合わせを想定した
年金受給額は、1か月あたり221,504円です。
※平成31年受給開始を想定しています。
老後の生活に必要な貯蓄額は?
日本の多くの会社は、退職年齢を既に65歳に引き上げています。
そこで、ここでは65歳以降の生活を老後生活としました。
夫婦二人の年金受給額は221,504円ですので、それぞれの生活水準で不足する額は次の通りです。
【それぞれの生活水準の月あたりの不足額】
〇平均的な生活・・・ 約 44,000円
〇ゆとりある生活・・ 約130,000円
以上を考え、各年齢までに必要な生活費を計算しました。
ここで、簡単のために夫婦二人は同年齢としました。
老後生活に必要な金額
年齢 | 平均的な生活 | ゆとりある生活 |
---|---|---|
65歳 | 0 | 0 |
70歳 | 264万円 | 780万円 |
75歳 | 528万円 | 1,560万円 |
80歳 | 792万円 | 2,340万円 |
85歳 | 1,056万円 | 3,120万円 |
90歳 | 1,320万円 | 3,900万円 |
95歳 | 1,584万円 | 4,680万円 |
100歳 | 1,848万円 | 5,460万円 |
政府が公表している高齢社会白書「平均寿命の将来推計」によれば、
2060年の平均寿命は、男性は84.2歳、女性は90.9歳と予想されています。
妻の寿命まで生きる場合、夫婦二人の老後生活に必要な資金は3,900万円となります。
SPONSORED LINK
年金の繰り下げ受給を活用する
「繰り下げ受給制度」をご存知でしょうか?
現在、年金の受給開始年齢は65歳ですが、これを遅らせることで年金受給額を増やすことができます。
繰り下げは最大70歳まで可能であり、年金受給額は42%増額されます。
例えば、夫婦二人の年金受給額が221,504円の場合、
70歳まで受給開始を繰り下げることで、年金受給額は一か月あたり314,535円となり、
ゆとりある老後生活を送るための不足金額は一か月あたり約35,000円となります。
ここで、年金受給年齢を70歳まで引き下げた場合に、老後生活に必要な額を試算しました。
ゆとりある老後生活に必要な金額
年齢 | 繰り下げ受給なし | 繰り下げ受給あり |
---|---|---|
65歳 | 0 | 0 |
70歳 | 780万円 | 2,100万円 |
75歳 | 1,560万円 | 2,310万円 |
80歳 | 2,340万円 | 2,520万円 |
85歳 | 3,120万円 | 2,730万円 |
90歳 | 3,900万円 | 2,940万円 |
95歳 | 4,680万円 | 3,150万円 |
100歳 | 5,460万円 | 3,370万円 |
65歳~70歳は年金支給がありませんので、必要な生活費は全て貯蓄から支出する必要があります。
妻の寿命90歳まで生きる場合、繰り下げ受給なしでは3,900万円も資金が必要でしたが、
受給開始年齢を70歳まで繰り下げると、必要資金は2,940万円となり、約1,000万円も減額できます。
今後、医療が進歩すれば平均寿命はさらに伸びると考えられますので、
繰り下げ受給による年金受給額の増額は、さらに有効になると考えられます。
我が家の場合(持ち家がない場合)
以上の計算では、住居費を13,625円としており、持ち家が前提と考えられます。
シロは、持ち家のローンで支払うお金は、資産形成に使用すべきと考えています。
一方、定年後は次の理由から持ち家を購入すべきと考えています。
〇資産形成は不要である
〇子どもがいないため、必要な家のサイズが変わらない
〇中古マンションを購入した方が生活費が抑えらる
(65~90歳の25年間、家賃8万円とすると、総額2,400万円)
〇30年後の日本は、人口減少で住宅の需要が減少しており、
住宅価格は現在よりも減少していると考えられる
住宅は中古マンションを考えており、購入価格は1,000万円(リフォーム代含む)とします。
つまり、我が家で必要な老後費用は、次の通りです。
合計額 4,720万円
〇 生活費:2,940万円
〇 住宅購入費用:1,000万円
〇 余裕資金:780万円(5年分の生活費)
〇 生活費:2,940万円
〇 住宅購入費用:1,000万円
〇 余裕資金:780万円(5年分の生活費)
まとめ
老後生活に向けて必要な資金を試算しました。
65歳で定年退職し、ゆとりのある生活を送るために必要な資金は、
65歳に年金受給を開始すると3,900万円です。
年金の繰り下げ受給を行い、年金受給開始を70歳まで遅らせることで、
必要な老後資金は2,952万円となり、老後資金を1,000万円削減することができます。
ただし現在、年金制度の破綻が見え始めており、
「繰り下げ受給制度」が今後30年も継続されるかが心配です。
(年金受給開始年齢が引き下げられる可能性もあります。)
我が家では、次の2点を考慮して、老後資金の目標額を4,720万円としました。
〇65歳定年退職と同時に持ち家を購入する
〇年金がなくても5年生活可能な資金を持つ
今後は、この目標に向けて、資産形成計画などを検討したいと思います。
コメント
コメント一覧 (2)
とても考えさせられる内容ですね。
老後の資金なんて、最近まではなんとかなるだろうと
軽い気持ちでしたが、コツコツと貯蓄していかないと
大変なことになるという意識が強くなりました。
シロ自身も大変な額が必要で驚いています。
今後は貯蓄の方法などもご紹介していきたいと思いますので、
応援よろしくお願いいたします。